• for Sustainability

    ZEISS PEOPLE × TOKYO WALKING
    過去から現在、未来へとつながる歴史の変遷を視覚体験。

    山本和歌子
    東京ウォーキング合同会社代表
    シェアする
    2024.10.28

東京駅からのお散歩1:東京駅丸の内口から皇居へ

お散歩ウェブマガジン「TOKYO WALKING」が「ZEISS PEOPLE」の読者に向けてお届けする「東京駅からのお散歩」第1回は「丸の内・皇居」です。日本の玄関駅「東京駅丸の内口」、日本のビジネスの中心「丸の内」、江戸の中心であり現在は天皇が住まう「皇居」。これら3つの日本の中心を線で結んで歩くことで、過去から現在、そして未来へとつながる歴史の変遷を、視覚を通して体験していきます。日本の中心を象徴する特徴的な建物や景色を、目で見て脳に焼き付け記憶しながら歩いていきます。そしてゴールは、麹町のZEISS本社へ。1846年に設立されたZEISSは、顕微鏡の製造業からはじまり、望遠鏡やカメラレンズ、メガネレンズなど、多様な分野における光学技術のリーディングカンパニーとして歩み続けています。そして今回は、メガネレンズをつくるため、ZEISSの最先端設備による視力測定を体感します 。


お散歩ウェブマガジン
TOKYO WALKING

https://www.tokyowalking.com/

東京ウォーキング合同会社が運営するウェブマガジン。国際観光都市、東京の魅力的なお散歩コースを内外のツーリストに提供するために、2020年に創刊。2023年10月には、AIによる自動翻訳を導入し、104カ国語で読めるグローバルサイトとなる。世界の人が訪れる「お散歩の総合ウェブマガジン」を目指して、東京や横浜のお散歩コース、観光情報記事・動画を、日々配信している。


➊Start!JR東京駅丸の内口

東京駅からは、JR東日本の在来線と新幹線各路線、JR東海の東海道新幹線、東京メトロの丸ノ内線が発着。まさに東京の玄関駅です。JR東京駅丸の内口には、北口、中央口、南口の3つの改札があり、このお散歩のスタートはどの改札から出てもかまいません。ただ、待ち合わせは、改札よりも、JR東京駅丸の内口を外に出た「丸の内駅前広場」の方がわかりやすいでしょう。「丸の内駅舎正面中央あたり」がおすすめです!

赤レンガ造りの東京駅丸の内駅舎。正面中央の扉は皇室用玄関で、必要なときだけ使用する。

東京駅丸の内駅舎の外と中を見学

いつ見てもほれぼれする名建築。首都東京の顔をじっくり眺めよう!

東京駅は、辰野金吾の設計により、大正3(1914)年に竣工しましたが、昭和20年(1945)年の東京大空襲で3階部分が焼失し長く2階建てとなっていました。そこで、2007年から、創建時の姿に戻すための保存・復原工事が行われ、5年後の2012年に完成したのが現在の丸の内駅舎です。外観は赤レンガに花崗岩の白いラインの縞模様が特徴で、南北に八角形の大きなドームをいだき、全長は335ⅿにも及びます。ドーム天井の下に立つと、駅舎が刻んできた110年の歴史の流れが感じられます。
★JR東京駅丸の内駅舎
https://www.tokyostationcity.com/learning/station_building/

丸の内駅舎と駅前広場。南北に長いシンメトリーな駅舎は、堂々としていて安定感抜群。いつ見ても見とれてしまう美しさだ。
駅舎前にある東京駅の石碑は写真スポットとしても人気。八重洲外堀にかけられていた八重洲橋を支えていた石だという。(写真左)
南口と北口に左右対称の八角形のドームがある。これは南ドームの尖塔部分。(写真右)
丸の内北口改札から、高さ約35ⅿの北ドーム天井を見上げる。
北ドームの天井レリーフを真下から見上げる。レリーフの八角コーナーには八羽の鷲が取り付けられている。(写真左)
ドーム2階の八角コーナーには、方位を示す干支の彫刻が。十二支のうちの八干支が配置されている。(写真右)
ドームを支える太い柱と、2階、3階部分がわかる。丸の内北口2階の回廊へは東京ステーションギャラリーから入ることができる。

東京駅丸の内口からの眺めを覚えよう。

東京の中心地にふさわしいスケールの大きな風景を記憶する

丸の内駅舎の前には広々とした駅前広場があります。ケヤキや芝生が植えられ、夏季は水盤が設置され、駅を訪れる人々の憩いの場になっています。広場から、日比谷通りを隔て、皇居を向かって真っすぐ伸びる行幸通り(ぎょうこうどおり)が続きます。秋から冬にかけては両側の銀杏並木が美しく色づきます。行幸通り入口の左右にそびえる高層ビルは、向かって左側が丸ビル、右側が新丸ビルです。駅前広場の左側には、日本郵便が手がける高層ビル、JPタワー・KITTEがそびえます。

丸の内駅前広場の向こうに行幸通りを挟んでそびえる1対の高層タワー。左の丸ビルは、2002年に旧丸ビルから建て替えられた37階建て。新丸ビルは、2007年開業で38階建て。いずれも大規模複合ビルで、丸の内のシンボルタワーとなっている。
JPタワー・KITTE 。B1~ 6階に商業ゾーン「KITTE」を有する38階建ての高層タワー。旧東京中央郵便局の建物の一部を保存・再生した低層階から、ガラス張りの高層部が伸びるフォルムが特徴的。
行幸通りは、丸の内中央口から皇居前内堀通りを結ぶ道。幅73mの広い通りで、普段、車は通行止めだが、皇室行事と外国大使の信任状捧呈式の馬車列が、東京駅から皇居に向かうときだけ道路として利用されている。

👟👟駅から、丸ビル前の歩道を皇居方面に向かって歩き、丸ビルの角を左折すると丸の内仲通りに入ります。

ハイセンスな丸の内仲通りをブラリ歩く。

彫刻の展示「丸の内ストリートギャラリー」も必見

日比谷駅近くの晴海通りから、永代通りを結ぶ丸の内仲通りは、ハイセンスな店やレストランが、高さ31mに軒線を統一して連なる洗練されたストリートです。車両交通が規制される平日11:00~15:00、土・日曜・祝日11:00~17:00には、道に椅子やテーブルが置かれ、キッチンカーも出て人々が憩います。通り沿いでは、近・現代アーティストの彫刻が展示されている「丸の内ストリートギャラリー」が、道行く人々の目を楽しませてくれます。

街路樹が美しい丸の内仲通りを歩く。車両通行止めになる時間帯は、道の中央にテーブルが並び、パリの街角のようなお洒落な雰囲気に。
丸の内仲通りにある丸の内ブリックスクエアと、煉瓦造りの三菱一号館(メンテナンスのため2024年11月22日まで休館)に囲まれた中庭が「一号館広場」。噴水、植栽、ベンチを配した気持ちのよい庭は、都会のオアシス空間となっている。
丸の内仲通りから一号館広場への入口にあるアトリウムは、ガラス天井から空を見渡せる近未来的な建築物。(写真左)
一号館広場にも、丸の内ストリートギャラリーの3つの作品が展示されている。これは「恋人たち」(バーナード・メドウズ 1981年)という作品。(写真右)

エシレ・メゾン デュ ブールでお買い物

この店は、丸の内仲通りにある丸の内ブリックスクエア1階に、2009年9月に誕生した世界初のエシレ バター専門店です。エシレ バターのフル ラインアップはもとより、エシレ  バター100%のお菓子やヴィエノワズリーなど、世界でもここにしかないものを取り揃えています。お散歩のおやつを見つけようと店の扉を開けた途端に、広がるバターの芳醇な香りに包まれました。
★エシレ・メゾン デュ ブール:不定休 10:00~19:00
https://www.kataoka.com/echire/maisondube

丸の内仲通りから一号館広場へ行く入口の建物の一角に店がある。白地に青のECHIREの看板と、吊り下げられた大きな牛の写真が印象的。
白を基調にアクセントのブルーが映える店内。入ると、エシレ バターのおいしさを作るといわれる木製チャーンの大きな写真が目に飛び込んでくる。(写真左)
店のシンボル「ガトー・エシレ ナチュール」は、クリームの半量がエシレ バターという夢のようなケーキ。毎日、開店前から、このケーキを求める人の行列ができる。(写真右)
人気のクロワッサンには、ほど良いバター感が感じられる「クロワッサン・エシレ トラディシオン」と、なんと原材料の50%がエシレ バターという「クロワッサン・エシレ 50%ブール(有塩/食塩不使用)」がある。
エシレ バターを原材料の30%も使用した独創的な「ギモーヴ・オ・ブール」(10個入り)を、広場のベンチでいただく。口いっぱいに広がるミルキーで濃厚なバターの風味と、程よい弾力がある食感はクセになる味わい。(写真左)
1個ずつ袋に入れて販売している「ケーク・オ・ブール・エシレ」は、お散歩のお供にもぴったり。エシレ バター、卵、砂糖、小麦粉とシンプルな材料で焼き上げたエシレ流キャトルキャールだ。(写真右)

👟👟一号館広場を出て、TIFFANY&CO.がある交差点で丸の内仲通りを右折し、皇居方面へ進みます。馬場先門交差点で日比谷通りを渡ると、目の前に皇居の外堀が流れています。ここから先が、いよいよ皇居外苑の中です。

右手に1934年竣工の明治生命館を見て歩く。この建物は古典主義様式の最高傑作といわれ、昭和の建造物として初めて国の重要文化財に指定された。館内は一般公開されている。(写真左)
馬場先門交差点で日比谷通りを渡り、江戸時代には江戸城の敷地であった皇居外苑へ。(写真右)

皇居外苑で、あの有名史跡に遭遇!

都心にこれほど広い広場が存在するとは!江戸城の大きさを実感!

この場所はかつて江戸時代に有力譜代大名や老中・若年寄などの幕閣を担う大名の屋敷が置かれ「西の丸下」と呼ばれていたところだそうです。内堀通りを渡ると左右に、黒松が植えられた芝生の広場が広がり、左手芝生の先に楠木正成像が建ちます。二重橋前交差点で外堀通りを渡ると玉砂利が敷き詰められた皇居前広場。さらに進むと、皇居前広場のシンボル、二重橋があります。お堀沿いに左に進むと旧江戸城外桜田門、通称「桜田門」があります。
★皇居外苑:常時開放 ☏03-3213-0095(皇居外苑管理事務所)https://www.env.go.jp/garden/kokyogaien/index.html

黒松が植えられた大芝生広場の向こうに、丸の内のオフィスビルが建ち並ぶ。過去の遺産である皇居外苑と、現代の丸の内の建物が、みごとに調和する光景だ。
建武中興の忠臣であった楠木正成公(楠公)を象った楠木正成像。上野公園の西郷隆盛像、靖國神社の大村益次郎像と共に東京の三大銅像の一つ。(写真左)
江戸城は、外堀と内堀で二重に守られていた。今も悠々と水をたたえる桜田門付近の内堀。(写真右)
芝生、黒松、植樹、丸の内のビル群に囲まれた広大な大玉砂利広場を歩く。江戸城下のスケールに驚かされる場所だ。
奥にある鉄橋が正門鉄橋、手前の石橋が正門石橋。正式な二重橋は奥側に位置する正門鉄橋を指すそう。正門鉄橋が架けられた江戸時代当時は、お堀が深く、丸太の上に橋桁を重ねて設計する必要があり、その様子が二重構造に見えたことから二重橋と呼ばれ始めたという。(写真左)
桜田門。内側の渡櫓門(写真の左側)と外側の高麗門の二重構造からなる防御性の高い城門で、間に桝形がある。万延元(1860)年、この門外で大老井伊直弼が水戸藩脱藩士に暗殺された桜田門外の変は有名な史実。(写真右)

👟👟桜田門を出て右へ。右側に内堀を眺めながら、内堀通りをZEISS本社へ向かって歩きます。25分ほど歩いた半蔵門交差点で左折し、新宿通り(麹町大通り)を直進。麹町一丁目の交差点を過ぎて次のブロックを右折するとZEISS日本の本社ビルがあります。

緑と水にあふれる内堀通りを歩く。左手に国会議事堂の尖塔が頭をのぞかせる。(写真左)
半蔵門に近づくと、内堀に皇居の森がせり出し、お堀沿いの緑が濃くなる。(写真右)
ワコールのビルがある半蔵門交差点を左折。(写真左)
半蔵門交差点は、国道20号新宿通り(麹町大通り)の起点。(写真右)

カールツァイスビジョンジャパンで先端視力測定を体験!

カールツァイスビジョンジャパンがあるZEISS本社ビルに到着。ZEISSのメガネレンズを使用した眼鏡を注文するために、2階 ZEISS カスタマーエクスペリエンスセンターにある最先端視力測定室で、3段階から成る精密な視力検査を受けました。第1段階が、現在の目の状態を機械で調べる予備測定(他覚測定)。第2段階がZEISSレンズを使用して実際の見え方を測定する自覚測定。そして第3段階が、実際に使用する眼鏡をかけてフレーム、レンズ、目の位置を測定するセントレーションという測定です。この日測定したデータがドイツに送られ、4万4000通りのレンズデザインから抽出された最適な眼鏡設計データに沿って眼鏡が作られるのだそうです。次回は、注文したZEISSレンズの眼鏡をかけて、「東京駅からのお散歩2」を歩きます。新しい眼鏡がどんな見え方になるのか、今からとても楽しみです。

麹町にあるZEISS日本の本社ビル。(写真左)
ZEISSのロゴが光る会社の案内板。(写真右)
ショールーム。瞳の映像を見上げるコーナーは、眼鏡の未来を感じさせる。
予備測定。角膜の凹凸から瞳孔の大きさまで、目の状態を精密に測定する。(写真左)
自覚測定。ZEISSのレンズを使用して、実際の視力を測定。(写真右)
セントレーション。使用する眼鏡のフレームに黒目の位置を合わせ、レンズとの距離、フレームの角度を測定する。(写真左)
眼鏡の角度をミリ単位で設定し、最適な見え具合とかけ心地を提供する(セントレーション)。(写真右)

コース作成・文:山本和歌子  写真:安岡花野子、TOKYO WALKING編集部


今回のお散歩データ

歩行距離 約4.2km/徒歩時間 約1時間/コースの目安時間 約3時間

➊東京駅丸の内口
➋東京駅丸の内駅舎
➌丸の内駅舎からの眺め
↓ 5分 350m
➍丸の内仲通り 
↓ 9分 600m
➎皇居外苑
馬場先門
↓ 20分 1.5km
桜田門
↓ 26分 1.8㎞
❻カールツァイスビジョンジャパン
※「カールツァイスビジョンジャパン」および「ZEISS カスタマーエクスペリエンスセンター」での視力測定や一般公開は原則行っておりません。今回は特別な対応である旨ご理解ください。

シェアする
山本和歌子
東京ウォーキング合同会社代表
日本各地の旅行ガイドブックを執筆・編集してきて、東京ほどお散歩にぴったりの都市はないと痛感。スポットを線でつないでコースを歩くお散歩の楽しさを、世界中の人に知ってもらおうと、お散歩ウェブマガジン「TOKYO WALKING」を通じて、様々なお散歩コースを企画・提案している。
 ZEISS 販売店