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    似合うメガネ選びの
    決め手は“形”にあらず。

    伊藤 美玲
    眼鏡ライター
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    2023.3.29

「似合うメガネがわからない…」。

そう悩んでいる人は少なくないでしょう。服や靴、アクセサリーなどは自分らしいものを選べていても、とりわけメガネとなると「何を選んだら良いのか迷ってしまう」という相談を受けることもしばしばです。

似合うメガネを探すとき、“フロントの形”と“顔型”との相性で考える人が多いのですが、それって実はすごくもったいないことをしています。自らフレームの選択肢を狭めてしまっているのだから。丸顔だからといって、ラウンドフレームを避ける必要はありません。

よく似合うメガネの選び方について、イラストで説明をしているものがよくありますよね。ですが、そもそもメガネのデザインは多様で、簡単なイラストで表現できるほど単純なものではないし、素材やフレームの太さによってもその印象は大きく変わります。それに何より、人の顔や目の大きさの印象は、顔型だけで単純に分類しづらいケースがほとんど。ですから、顔型別の指南だけを頼りにするのではなく、自分の顔ならではの選び方を見つけることが重要です。

メガネ選びのコツは「形」よりも「サイズ」。

では何を指標にしたら良いのか。実はメガネ選びで意識すべきは、フロントの形よりもサイズです。自分に合うサイズであれば、案外どんな形でもバランスよく掛けられます。その基準は、メガネを掛けたときにレンズの中心に左右それぞれの黒目(瞳孔)がくるものを選ぶこと。中心より少し内側に寄ったり、やや上にくるぐらいは許容範囲ですが、これが大きくズレるとアンバランスに見え、それが「似合わない」と感じられる原因となるのです。

ちなみに、眼鏡店では左右の黒目の距離を計測し、その数値に基づき適切なサイズを提案してもらうこともできるので、ここはぜひプロのアドバイスに頼りましょう。“似合う形を選ばなくてはいけない”のではなく、選ぶ形によって自分の印象を変えられることこそメガネの魅力。ぜひいろいろなタイプを試着してみてください。

そのメガネを掛けることでどんな自分になりたい?

さて、サイズに加えメガネ選びのときに大切なのは、“なりたいイメージを明確にしておく”ということです。たとえばビジネス用のスーツに合わせて知的に見えるメガネが欲しいのであれば、鮮やかなカラーのラウンドフレームなどは選択肢から外れることになるでしょう。プラスチック製より、メタルのほうが良いかもしれません。

似合う、似合わないの判断基準は、着ている服や髪型などとの相性も大きく関わってきます。「スーツを着ていたときに似合っていたメガネが、スウェットにはしっくりこない」ということもあるので、メガネを選びに行くときはそのメガネを掛けるシーンを意識した服装で選びに行くことをおすすめします。そして、全身鏡でのチェックもお忘れなく。

素材やカラーについては、メガネを顔に馴染ませたいのか、それとも目立たせたいのか。着ている服との統一感を持たせたいのか、それともアクセント的に使いたいのかなどによっても選ぶ基準が変わってきます。ご自身のパーソナルカラーに合わせれば肌に馴染みやすく、そうでないカラーなら逆にメガネを引き立たせることもできるでしょう。

“なりたいイメージ”は、自分の中にしか正解がないものです。そこを整理してからお店に相談をしたほうが、より的確なアドバイスが受けられるはずです。

3Dバーチャル試着ならサイズ感や横顔の印象も確認可能。

上記のポイントを踏まえたら、あとはとにかく試着あるのみ。たくさん掛けていくうちに、自分に合うサイズや好みの雰囲気などが次第に掴めてきます。とはいえ、「たくさん試着するのは大変だし気が引ける」「近視が強くて試着した自分の姿が確認できない」という場合もありますよね。そんなときにうってつけなのが、画面上でバーチャル試着ができる「ZEISS Virtual Try-on」です。

こちらは、顔の3Dデータを瞬時に撮影・計測できる「ZEISS VISUFIT 1000」を利用したサービス。測定時の撮影データからリアルな3Dアバターを作成し、システムに格納されているメガネフレームを専用のiPadの画面上で簡単に試着できるというものです。私も数回体験していますが、この3Dアバターはまるで自分が画面の中に入り込んだかのようにリアル。顔にもフレームにも精密な計測データが反映されているので、実際のサイズ感で試着をすることができるのが大きな特徴です。それゆえ、先ほど説明したサイズのバランス感もしっかり確認できるんですね。

また、3Dデータなので、画面をタッチすれば顔の向きも簡単に変えることが可能。正面の印象だけではなく、鏡では確認しづらい横から見た姿などもチェックすることができます。加えて、アバターが映し出された画面の横に表示される試着候補のフレームは、顔の大きさに適切なサイズや、髪、肌や目の色を元に、AIが似合うと判断したものが上位に表示される仕組みになっているというから、効率的に試着ができるというわけです。

さらに、試着しているメガネにカラーレンズを入れた姿を確認することも可能。従来メガネフレームにカラーレンズを入れる場合は、サンプルのレンズを見ながら仕上がりのイメージを自分で想像するしかありませんでした。でもZEISS Virtual Try-onなら、レンズカラーによる印象の違いやカラー濃度による目元の透け具合などもチェックできるので、自分に似合うレンズカラーもわかりやすいんです。これはもはや、リアルの試着を超えた利便性があると言えるでしょう。

スマホで手軽にバーチャル試着も可能。

実は昨年、「ZEISS Virtual Try-on @Home」が運用開始となり、自分のスマホを使ってこのバーチャル試着ができるようになりました。お店で簡単な登録手続きをするだけで、専用のサイトから自分のアバターを呼び出し、店舗と同様のバーチャル試着が楽しめます。

自宅なら、もう周囲の目も時間も気にせず試着し放題! 一人でじっくり考えたいときはもちろん、家族や友人などの意見を聞いて選びたいという場合でも、時間や場所を問わずに相談ができます。

お店で試着したものを、一度冷静に自宅で検討するのも良し。スマホでいろいろ試着をして気になるものを絞ってから、お店に行くも良し。リアル&バーチャルの試着を自分なりにうまく組み合わせて使えば、より自分に似合う1本が見つけられそうです。

現在メガネのデザインはますます多様になり、試着にまつわる環境も進化しています。だから、「似合うものが見つからない」とメガネの使用を躊躇するのは、本当にもったいない! ぜひプロのアドバイスや最新のツールを活用して、納得のいく1本を見つけてください。

ZEISS取扱店舗にて「ZEISS Virtual Try-on」を体験

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伊藤 美玲
眼鏡ライター
「眼鏡で、きれいになる」がライフワークの眼鏡ライター。眼鏡専門誌『MODE OPTIQUE』『眼鏡Begin』などのモノ雑誌やWEB媒体を中心に、記事やコラムを執筆している。また、TV・ラジオなどのメディアにも度々出演し、眼鏡の魅力発信を続けている。
Twitter:@mireiton
Instagram:@eyewear_note
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