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    スタイリスト 小山田 早織氏が語る
    “ファッションとアイウェアの関係性” 。

    小山田早織
    スタイリスト
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    2023.1.26

メガネを取り入れたスタイリングに定評のある、人気スタイリストの小山田 早織さん。自身も10本ほどメガネを所有し、バッグや服を選ぶようにメガネを楽しんでいます。そんな小山田さんに、今や定番となった調光レンズやマスク時代のトレンドである薄めのカラーレンズをはじめ、ファッションを切り口としたメガネ選びの楽しみについて語っていただきます。

アクセサリー感覚で楽しむ。
メガネはファッションアイテムの一部。

メガネを使ったスタイリング提案も人気の小山田さん。小山田さんがメガネを掛け始めたきっかけを教えてください

高校生くらいから伊達メガネを掛けていました。その頃、『Zipper』などの裏原系のブームだったり、若槻 千夏さんが大きな黒縁の“アラレちゃんメガネ”を流行らせていたり、伊達メガネをファッションとして取り入れるのがスタンダートになっていましたね。それからメガネは私にとって、バッグや靴を選ぶのと同じように、ファッションアイテムとして自己表現の1つ。スタイリストとして複数のコーディネート提案する際は、必ずメガネを使ったコーディネートを入れるようにしています。

全部で何本くらいメガネをお持ちですか?

10本くらいです。メガネは、その日の自分のキャラクターを決めるものでもあるので、ファッションに合わせてデザインを変えて楽しめるようにしています。実は視力は両目ともに2.0で、矯正器具としてメガネを掛ける必要はないのですが、この視力を守るためのメガネはいくつか持っています。ブルーライトカットのレンズを入れたパソコン作業用、運転用など、シーンごとに細かく分けています。スタイリストという職業柄、色をきちんと見て判断しなければならない場面も多いので、とにかく視力は大切にしています。

小山田さんが思う、自分に合ったレンズとフレームの選び方のコツを教えていただけますか?

フレームは、まずはたくさん試着してみると自分に似合うものが見えてくると思います。たとえ誰かのおすすめやトレンドだったとしても、必ずしも自分に似合うメガネとは限りません。自分の顔の形や雰囲気、普段のファッションに似合う1本があります。メガネを掛け慣れていない人にとっては、まずはメガネを掛けている自分の姿に慣れることも意外と重要ですね。レンズは、掛け心地に違和感のないもので、できるだけ質の良いものを選ぶようにしています。大切な視力を守ったり、快適な生活を送るためにも、少し高価でもいいかなと。

コロナ禍のニュースタンダード。
調光レンズやカラーレンズの魅力は?

今日掛けられているのは、グレーのレンズでしょうか。とてもお似合いですね!

〈NOCHINO OPTICAL(ノチノオプティカル)〉のフレームに、グレーのレンズを入れています。去年の冬に購入したのですが、普段のファッションのテイストに合うように、たくさんのモデルを試着してこちらの一本に決めました。

今日のファッションに合わせたポイントはありますか?

今日は、すっきりとしたシルエットのモノトーンコーデ。かっこいい印象のスタイリングに馴染むように、黒フレームに薄いグレーのレンズが入ったこちらを選びました。

マスク時代となり、今ならではのアイウェアのトレンドを教えてください。

マスクの着用が当たり前になってから、真っ黒のサングラスを掛けている人を見掛けなくなりましたね…。マスクで顔が隠れている分、真っ黒のレンズなどの暗いレンズに抵抗感があるのではないでしょうか。その分、調光レンズや薄めのカラーレンズを掛けている人が一気に増えました。薄めのカラーレンズなら、マスク姿でも重い印象にならずサングラスの延長で楽しめますよね。私の周りでも、顔をほんのり明るく見せてくれる薄いピンクのカラーレンズなどを取り入れている人が増えました。

薄いピンクのレンズにはそういう嬉しい効果もあるのですね!

女性ならメイクをしていないときも、メガネが味方になってくれますよね。あとはリモート会議のときでも、サッとメガネを掛けるだけで知的な雰囲気を作ってくれたりします。

ファッションの楽しさが広がる、
メガネとカラーレンズ。

小山田さんが現在注目しているアイウェアのトレンドはありますか?

今季も太め、ごつめがトレンドかなと思います。個人的には、〈CELINE〉のボリュームのあるウェリントンフレームのものが気になっています。トレンドの型が知りたいなら、セレクトショップに足を運んでみるといいですよ。

お気に入りの2本は〈NOCHINO OPTICAL〉のフレーム。どちらもグレーのレンズが入っています。

ファッションとアイウェアの合わせ方に悩んでいる人も多いと思います。アドバイスをいただけますか?

まずは、普段のファッションのテイストに合わせることが重要かなと思います。普段甘めのファッションが好きなのであれば、華奢なフレームや淡い色のカラーレンズを選んだり、普段がハンサム系なら、ごつめのフレームにグレーや黒系のレンズを入れても似合うと思います。リラックスムードの着こなしなら、何にでも合わせやすいウェリントンとか。「いつものコーディネートに取り入れるならどんなメガネ?」と、バッグや服を合わせるように考えてみてください。

今日は小山田さんのお話を聞いて、カラーレンズの可能性を感じることができました。

コロナ禍で、明るい髪色が流行りましたけど、カラーレンズも気分を上向きに変えてくれるものだと思っています。苦手意識がある方は、まずはやさしいブラウン系の調光レンズから試してみるといいと思います。たくさん試して、自分に似合うカラーを見つけてみてくださいね。

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小山田早織
スタイリスト
数々の人気ファッション誌や広告、ショーのスタイリングを手掛け、モデルやアーティストからの指名も多数。主な近著に『“着ない服”がゼロになる! 稼働率100%クローゼットの作り方』(講談社)。自身のYouTubeチャンネル『FashionLab.』も人気。プライベートでは2児の母。
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