• 伝える人

    大切なのは
    「どんなときに、どんな用途で使うのか」。
    自分に合うレンズの見つけ方。

    伊藤 美玲
    眼鏡ライター
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    2022.11.7

気に入って購入したメガネ。なのに、レンズに違和感があり使わなくなってしまった…。そんな経験はありませんか? かくいう私も、これまで何度も苦い経験をしてきたメガネユーザーのひとりです。

仕事柄「オススメのレンズを教えてください」と聞かれることもありますが、残念ながら「これを使えば間違いない」と即答できるほどレンズ選びは単純なものではありません。レンズ選びのポイントは、“自分のライフスタイルや使用目的に合ったもの”を、“適切な度数”で作ることにあります。

「遠くがよく見えればOK」とは限らない。

では、どうしたら自分に合うレンズを提案してもらえるのか。そのためには、眼鏡店のスタッフとしっかりコミュニケーションをとることが何より大切だと私は思っています。なぜなら、検査の結果に加え、「そのメガネをどんなときに、どんな用途で使うのか」といったユーザー側の情報が、適切なレンズ選び、度数決定には欠かせないからです。

伝える情報でまず重要なのが、そのメガネで“どこを見たいか”ということ。健康診断などで行なう視力検査では遠くが見えれば問題なしとされるため、メガネを作る際も「とりあえず視力が1.2ぐらいになればOK」と考えてしまいがちですよね。ですが、レンズの役割は、見たいものにピントを合わせることです。そのため、スマホやパソコンなど比較的近くを見ることが多い現代の生活においては、その“遠くがよく見えるメガネ”が目のピント調節機能の負担になっていることも考えられるでしょう。

つまり、同じ人でも遠くを見る必要がある車の運転時に適した度数と、パソコンのモニターを見るために適した度数は違ってくるということ。接客時に仕事の環境や車を運転するかなど、ライフスタイルについてあれこれ聞かれるのはそのためなのです。

より快適な見え方を叶えるために…。

そうしてお店側に伝えた情報は、度数の決定だけでなくレンズ選びのヒントにもなります。実はレンズメーカー各社からは、様々な機能を持ったレンズがリリースされており、お店はその中から度数や見え方の要望、予算に合わせて最適なレンズを選んでいます。中でも、ツァイスのメガネレンズは製品ごとにそれぞれ特化した機能を持っているのが特徴。自身のライフスタイルやニーズに適えば最高のパフォーマンスを発揮してくれるのです。

たとえば、「DriveSafeレンズ」。こちらは、簡単に説明すると悪天候時や夕暮れ、夜間における見え方のストレスを軽減し、リラックスして安全に運転ができるよう設計されたレンズです。私は車の運転はしないのですが、実はこのドライブセーフレンズを愛用しています。

というのも、このレンズには、瞳孔サイズの変化を考慮した独自の技術で暗い環境での視界を向上してくれる機能があります。私は夕方、夜間になると見えづらさを感じる傾向にあり、ツァイスの計測器「i.Profiler plus(アイ プロファイラー プラス)」で検査をしたところ、たしかに、昼間と夜間の度数に違いが見られました。

そのためドライブセーフレンズをおすすめしていただいたわけですが、たしかに薄曇りや夕方などに見えにくかった路線バスの行先表示や看板の文字などが今までよりパキっと見えるようになったんです。夜道を歩くとき眩しく感じていた車のヘッドライトや街のネオンなどのギラツキも軽減してくれるとあり、ペーパードライバーながらも日々恩恵を受けています。効果を感じるかどうかには個人差がありますが、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。

そのほか、ツァイスにはオフィスでパソコンの前に座って仕事をする際に必要なすべての範囲を中心に最適化された「Officeレンズ」や、スマートフォンを多用する現代の生活に最適化された「SmartLifeレンズ」といった製品も。そう、メガネレンズには使う人の好みやライフスタイルに寄り添ってくれる様々な種類があるのです。

レンズ選びのキモはコミュニケーション。

せっかくメガネを掛けるなら、より快適な視界であることに越したことはないですよね。見え方のほか、「できるだけレンズを薄くしたい」「できれば予算内に抑えたい」といった要望などあれば、先に伝えておくといいでしょう。フレーム選びの段階で解決できることもあります。

レンズ選びは、決して簡単なものではありません。プロである眼鏡店にお任せする必要があります。その判断材料は、できるだけ多いほうが理想の見え方を叶えられるはず。だからこそ私たちユーザーは、お店の方に自分の要望・情報をあますことなく伝えること。そして不明な点はしっかり質問をするなど、納得いくまでコミュニケーションをとることが大切であると、私は思っています。

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伊藤 美玲
眼鏡ライター
「眼鏡で、きれいになる」がライフワークの眼鏡ライター。眼鏡専門誌『MODE OPTIQUE』『眼鏡Begin』などのモノ雑誌やWEB媒体を中心に、記事やコラムを執筆している。また、TV・ラジオなどのメディアにも度々出演し、眼鏡の魅力発信を続けている。
Twitter:@mireiton
Instagram:@eyewear_note
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