はじめまして。
眼鏡ライターの伊藤美玲です。このたび「ZEISS PEOPLE」でコラムを書かせていただくことになりました。これからどうぞよろしくお願いします。
“眼鏡ライター”。
あまり聞きなれない肩書きかもしれませんが、文字通りメガネのライターです。ファッションライターがファッション業界を取材するように、私はメガネ業界をメインに取材をしています。
たとえば、春と秋の新作発表シーズンには国内外のメガネブランドの展示会を回って新作とトレンドの傾向をチェック。日本のメガネ産地として知られる福井県鯖江市の工場で生産工程を取材したり、時には海外の工場まで取材へ行ったりしたことも。さらにはメガネを愛用する有名人の方たちに、そのこだわりについてインタビューしたり…などなど、そんな感じで、これまで約15年間メガネにまつわるありとあらゆることを取材してきました。
もちろん、メガネレンズについても守備範囲です。それゆえレンズの情報収集も欠かせないわけですが、あれは今から6~7年ぐらい前だったでしょうか。メガネ業界で「ツァイスのレンズが何やらすごい」という話を耳にするようになりました。
早速カールツァイスビジョンジャパンへ取材し話を聞いてみると、ツァイスはレンズだけでなく測定機器もオリジナルで開発しているということ。まずその説明から始まったのが印象的でした。中でも特徴的なのが、昼間と夜間の度数をそれぞれ検査することができる「i.Profiler plus(アイ プロファイラー プラス)」なのだと。
機器のスペックはこの『ZEISS PEOPLE』でも語られているので割愛しますが、その内容は一度聞いただけでは理解できないほど少々難しいものでした。ですが、できあがったメガネを掛けたとき、理屈抜きにその“何やらすごい”の意味を理解したのです。
お店から一歩外に踏み出すと、ビルや標識など風景の輪郭が際立ち、歩き慣れた街並みの立体感が増して生き生きと見えるではないですか…! そして視界も明るく、ぐっと鮮明に。それまで使っていたメガネと度数はほとんど同じであるのに、こんなにも見え方が変わるなんて。
「私は、新しい視界を手に入れた!」。あまりの驚きと喜びにより、きっと渋谷のど真ん中でニヤニヤしていたと思います(笑)。レンズ選びで、視界はアップデートできる。改めてそう実感した瞬間でした。
「レンズ代0円」が世に浸透してからというもの、まるでレンズをフレームのオマケのように捉えている人も少なくないですよね。でも、レンズにこだわらないなんてもったいない! 見た目の印象を決めるのはフレームですが、視界を作るのはレンズなのですから。
こだわるといっても、それは決して単に高価なものを選べばいいというわけではありません。「これを買っておけば正解」という商品があるものでもない。自身のライフスタイルや見え方のニーズに合ったものを選ぶことで、自分にとって快適な視界を手に入れることができるんです。
そう、メガネってフレーム選びによって“見た目”を、レンズ選びによって“見え方”まで自分好みに変えられるすごいアイテムなんですよ! この魅力に気づくと、きっとメガネが何本あっても足りなくなります。いつの間にか100本を越えていた私のように…。
というわけで、このコラムではメガネをもっと身近に、そしてポジティブに楽しめるような内容をお届けできたらと思っています。皆さまの“おメガネ”に叶えば嬉しいです。

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