• 伝える人
    乾 寛人

    グラスファクトリー 常務取締役

    長谷川 毅

    プライオリティ・オプティシャンズ 代表

    お客様の視界向上のために。
    販売店と考える、
    今後のレンズの可能性。
    2022.6.29

メガネ店のサービス向上やビジネスの成功のために〈カールツァイス〉が行っている「ビジネスパートナープログラム」。現在は30カ国超、4,250店舗以上が参加しています。今回は、プログラムのうち2番目のグレードにあたる「ZEISSビジョンエキスパート」に参加している〈Glass Factory(グラスファクトリー)〉の乾 寛人さんと今後参加予定の〈The Priority Opticians.(プライオリティ・オプティシャンズ)〉の長谷川 毅さんにインタビュー。視界向上のためにレンズが果たす役割やそのためのサービス、また「ZEISSビジョンエキスパート」の魅力についてお聞きしました。

「見られ方」から「見え方」の提案へシフト。

まずは、それぞれの自己紹介からお願いいたします。

乾:〈グラスファクトリー〉の乾 寛人です。私の家は、メガネレンズ工場で働いていた祖父と、1996年に〈グラスファクトリー〉を創業した父、そして私と、3代に渡りメガネ家系です。現在、〈グラスファクトリー〉は大阪に堀江と梅田の2店舗、神戸に1店舗を展開しています。

〈グラスファクトリー〉常務取締役を務める乾 寛人さん。

長谷川:〈プライオリティ・オプティシャンズ〉代表の長谷川 毅です。新潟で小さな個人店を経営しています。メガネ店としてのキャリアはメガネチェーン店からスタートしました。その後は新潟市にある老舗眼鏡店で11年、そのあとに自分の店を開業し、5年目を迎えました。

〈プライオリティ・オプティシャンズ〉代表の長谷川 毅さん。

それぞれのお店の特徴を教えてください。

乾:店の方向性は、創業当時と今とを比べると大きく変化しています。創業の頃は、ファッションアイテムとしてのメガネを全面に出していたのですが、今はよりパーソナルな視界に焦点を当てていて、それに伴って、ターゲティングや訴求の仕方、発信する内容も“見られ方”から“見え方”へとシフトしました。

もちろん、TPOに合わせたコーディネートの一部としてのメガネなど、アイウェアとしてのファッション性は大切だと思っていますし、創業当時から人気のクロムハーツなどは今もフレームの主力アイテムです。ですが、私たちが“見え方”にフォーカスしていくと同時に、お客様の側でも少しずつ視界に悩む方や視界向上を求める方が増えていって、今では7、8割の方から測定予約をいただくようになり、アイケアや眼の健康についてのご相談が増えています。

〈グラスファクトリー〉ヒルトン梅田店の外観。
〈グラスファクトリー〉ヒルトン梅田店の店内。

長谷川:〈プライオリティ・オプティシャンズ〉は従業員1人と私の小さな店です。面積にすると14坪ほどのコンパクトな空間ですが、売り場面積はその中の3分1程度、他のスペースはすべて検査室として使っています。これがお店の大きな特徴ですね。

通常はフレーム売り場を広く取ると思うんですよ。でも、僕が何よりもこだわったのは検査スペースです。ここは、「両眼視検査」である「ポラテスト」を行うための場所です。ポラテストとはドイツのハーゼ博士が考案したとても優れた検査法ですが、この検査を最も理想的な形でできるのが〈カールツァイス〉が開発した検査機器です。お客様にポラテストを行い、最適なレンズを提供したいと、長年の念願を叶えたこの検査室が店のコアです。

〈プライオリティ・オプティシャンズ〉の外観。

これからのメガネ店が担う、社会的な役割。

メガネのファッション性はもちろん、おふたりとも眼の健康や視覚の向上など、医療機器としてのメガネの役割を大切にしていることが伝わってきます。それについてはどんな風に考えて、お客様にサービスを行っているのでしょうか?

乾:ファッションは好みもそれぞれですし、季節のトレンドやそのときの気分もあったりで、本当に十人十色なんですよね。ファッションとしてのメガネに関しては、データの蓄積や比較検討がしにくいんです。対して、医療器具としてのメガネを考えるともちろん十人十色ではあるのですが、その人のライフスタイルを問診して、〈カールツァイス〉の精密な機械で測定をして結果を出すとなると、ある程度データの蓄積ができて、このタイプの方にはどんなレンズが適しているのかの積み重ねができるんですよ。

もちろん、時代の流れもあって、これだけデジタル化が進んで誰もが目を酷使している今、私たちも眼精疲労について徹底的に学ばないといけないですし、お客様が何に不具合を感じているかという本質に向き合わなくてはいけないと思っています。それによってよりパーソナルな提案ができるのだと思っています。

〈プライオリティ・オプティシャンズ〉にある検査室。

長谷川:今の乾さんのお話、とてもよくわかります。私も、メガネを提供するという社会的な役割がどれだけ重要なものかをいつも考えています。なぜなら、メガネがないと生活が立ちゆかなくなるという人がいる、ということは、私たちは彼らの「見る」という行為を助けるアイテムを提供している、ある意味では社会を支えていると思うんです。

だからこそ、「これがおしゃれですよ」「安いですよ」「早くできますよ」といった売り方は、メガネを提供すること自体が軽んじられてしまう気がして、違和感があるんですよね。本来メガネを提供するということは、その人の視界のパフォーマンスを向上させ、生産性を上げられる可能性があり、さらには日本の生産性にも影響があると思うんです。大げさではなくそんな意識を持ってサービスをしています。

お客様が自覚していない問題点を見つける。

お店のサービスを高めるためにどんなことをしていますか?

乾:〈グラスファクトリー〉ではハーゼ理論に基づいた世界最先端の「両眼視機能検査」を行なっていますが、この検査に対する知識や、実務の社内のテスト制度があります。「両眼視機能検査」と「屈折異常検査」の両方に合格しないと、お客様の前で検査をすることはできません。お客様に細やかな提案をするためにも大切にしています。

長谷川:価値のあるサービスを提供するために行なっているのは、お客様に伝えるときは曖昧にせず、具体的にはっきりと伝えることですね。

僕は、視力に関する問題解決の第一歩は、お客様自身が自分の眼を理解することだと思っています。乱視だと言われてもその乱視が何かを理解しているお客様はほとんどいません。もちろん、それは視力に関わる立場にある僕らの責任です。お客様の視界の問題を解決するためにも、まずは具体的にわかりやすく、理解していただけるまで説明するように心掛けています。来店は基本的に予約制ですが、平均してお客様ひとりあたり2時間半ほどのお時間をいただいています。

〈プライオリティ・オプティシャンズ〉にある、視力検査の際に用いる道具。

お店として、接客するときに大切にしていることを教えてください。

乾:問診をしっかりと行うことをとても大事にしています。ライフスタイルを把握した上で最適なレンズを選び出し、またお客様の要望とすり合わせながら微調整して、最終的な提案を行います。

「メガネが壊れた」「最近見えにくい」など、プロダクト自体の問題解決のために来店する方ももちろんいらっしゃいますが、問診をして検査をする中で、お客様自身も気付いていない問題が浮き彫りになることも多々あります。

お客様から発信される問題だけに目を向けるのではなく、まだご本人も気付いていないお悩みに焦点を当てることも、プロとしての大事な役割だと思っています。その結果、お客様から「ものを見るのがすごく楽になった」「目の疲れが酷くて外出が億劫だったのが、メガネを変えたら外に出るのが楽しみになった」といった反響をいただくと、とても嬉しくなりますね。

〈グラスファクトリー〉ヒルトン梅田店の取り扱いフレームの一例。

長谷川:とてもよくわかります。お客様自身は自分の視界が日常で標準なので、自分の問題に気付かないことがあるんですよね。埋もれている問題に僕らが気付くためにも、問診でどんな質問をして、いかに具体的にお客様の視界を想像できるかがカギだと思っています。そのためにも問診ではあらゆることを質問するようにしてします。

「デスク作業」ひとつとっても、ノートパソコンなのかデスクトップなのか、あるいはモニターなのかによって目の使い方やものの見方は変わりますよね。それを逐一聞いて、なるべく目の前にその状況を再現してからようやく、その方がどんな問題を抱えているのかを探ります。

そのときに大切なのは、僕とお客様の視界が違うことを忘れないこと。当たり前のように感じるものですが、僕の視界基準でお客様の話を聞いていても、何に困っているかの本質は見えてきません。自分の中での「当たり前」を捨てて話を聞くことを接客する上でとても大事にしています。

検査機器やブランディングへの共感。

店舗で〈カールツァイス〉のレンズを取り扱うようになったきっかけを教えてください。

乾:最初に知ったのは、海外のメガネ店のホームページでその存在を知ったことがきっかけです。すぐに連絡し、検査機器やレンズ購入までの流れなどの説明を聞いて、直感的に“これだ!”と思い導入しました。

私は昔から、一般的なレンズの決め方に疑問がありました。スタッフがレンズ表を説明して、「このレンズが一番上のランクで、真ん中がこれ、一番安いのはこれです。お客様はどれにしますか?」といったルーティンなレンズ選びを避けたかったんです。

そんな思いを抱えていたところ、〈カールツァイス〉の「オーダーメイドレンズ」という考え方に出会い、強く共感しました。機械の検査と連動させながら、レンズを体験してもらい、納得してもらった上で納得するレンズを選んでもらうというこの流れがとてもしっくりきたんですよね。ツァイスの最先端の技術による精密な検査機器にも惹かれ、ぜひお客様にこれを体験していただきたいと思いました。

〈グラスファクトリー〉ヒルトン梅田店の取り扱いフレームの一例。鼈甲のオーダーフレームも作成可能(写真右)。

長谷川:僕は、先ほどもお伝えした通り、「ポラテスト」を〈カールツァイス〉の本格的な機器を使って行いたいという想いが取り扱うきっかけでした。それに加えて、僕はツァイスのレンズのブランディングにも惚れ込んでいるんです(笑)。というのも、メガネというとどうしてもフレーム先行になりがちです。メガネ好きを語る人でも、レンズはどこのメーカーのものかわからないという人が意外と多いんです。ですが、自動車好きを思い浮かべるとわかりやすいのですが、彼らは車の肝であるエンジンの型式や特性を言えますよね。

メガネも同様に、本来は見え方を補正するレンズが主役なはずです。〈カールツァイス〉は、できあがったレンズにリーフレットが必ず付いてくるんですね。自分が購入したレンズにどんな特徴があるのかがきちんとわかるようになっている。そういったブランディングは、メガネの本質を突いていますし、素晴らしいと感じます。

〈プライオリティ・オプティシャンズ〉の内観。

ビジネスパートナープログラムの強みとは。

〈ツァイス〉との取り組み、特に「ZEISS ビジネスパートナープログラム」について、魅力に感じることを教えてください。

乾:一番の魅力は、情報共有です。世界展開している〈カールツァイス〉のもとに集まってくるビッグデータや、視界に関するさまざまな取り組みについて最新の情報や知識が得られることはメリットですね。私たちが現場でお客様から聞く声以外に、世界に開かれた情報を持っていることは、店を運営していく上でもとても有益だと感じます。

長谷川:うちのような小さい個人店にとっては、〈カールツァイス〉のブランド力自体が魅力です。僕自身が、〈カールツァイス〉のやることひとつひとつにカッコよさを感じているのですが(笑)、〈カールツァイス〉との関係性において、エキスパートという肩書きがついて、強い結びつきが得られることは魅力だと思いますね。メガネや視力測定についても、ドイツ本国で日々生み出されている新しい技術を、日本でいち早く知ることができるのは強みだと思います。

〈プライオリティ・オプティシャンズ〉の取り扱いフレームの一例。

では、これからメガネを買おうと思っている方へのメッセージとそれぞれの今後のビジョンを教えてください。

乾:メガネを買いに行こうと思ったときに、多くの人はメガネ店に対して同じようなイメージを持っていると思うんですよね。例えば、アパレルの販売店がファストファッションやセレクトショップ、クラスブランド、オーダーメイドブランドと分かれているように、メガネ店もさまざま。満足度の高いメガネを手に入れるためには、まずは自分の趣向に合う店選びが大事だと思っています。

私たちも、自分たちが大事にしている「パーソナルな視界」や「眼の健康」に価値を感じてくれる人たちにリーチできるように発信していきたいですし、そういう人たちにとって、この店が一番いい選択肢でありたいと思っています。

〈グラスファクトリー〉としては、今後店舗数を拡大したいとは考えていません。今ある店舗に足を運んでくださるお客様に満足してもらえるよう、国内外の情報や技術を常にアップデートさせ、今まで以上にサービスを洗練させていけたらと思っています。

長谷川:お客様がより良いメガネを手に入れるために、僕は一番最初にできることとしては、「メガネ選びに時間を掛けること」だと思っています。お客様がメガネで最大のパフォーマンスを発揮するためには、「大量に」「安く」「早く」ではできないこともあります。お客様が自分自身の生活の質を上げるアイテムをなんとしても見つけにいくんだ! という気持ちで、フレームと同じくらいレンズに関心を持っていただけたら、本当に嬉しいです。

そして今後のビジョンですが、訪れた人が「こんな小さなお店なのになんでここまで最先端のものが揃っているんだろう!」と驚くような設備をさらに整えていくこと。僕には夢があって、〈カールツァイス〉の検査機器をフルコンプリートしたいんですよ(笑)。設備だけでなく、技術も学びもさらに深めて「これが今の最先端です」と言えるお店にしたいです。

乾 寛人
グラスファクトリー 常務取締役
1986年生まれ大阪府出身。2015年株式会社グラスファクトリー 入社。現在、同社常務取締役。『メガネで人々のライフスタイルをより豊かにする』をミッションに掲げ、その普及に努める。
長谷川 毅
プライオリティ・オプティシャンズ 代表
1974年生まれ、新潟県長岡市出身。大手眼鏡チェーンで約6年間勤務後、新潟市老舗眼鏡店で11年勤務後2018年に「プライオリティ・オプティシャンズ」を長岡市で開業。SS級認定眼鏡士。休日は美味しいプリンを探して回る甘い物好き。

ZEISS LENS
良いメガネの秘密。

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眼精疲労
デジタル眼精疲労
その原因と解決策とは?
仕事でパソコンを使い、家ではスマホで動画を楽しむ…。デジタル機器を使う時間が増え、目の疲れを感じている人も多いのでは? その原因の一つに、“近くを見続けている”ことが挙げられます。というのも、近くを見るときにはピント調節を司る「毛様体筋」が収縮。目の筋肉が、常に頑張り続けている状態にあるのです。「ZEISS EnergizeMe®」は、読書距離(38㎝)、およびデジタル機器(35㎝)の距離に最適化されたメガネレンズ。さらに、モニターから発せられるブルーライトをカットできるコーティングも標準装備し、画面のチラつきや眩しさを軽減。デジタル眼精疲労の防止に役立ちます。