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    ZEISS PEOPLE × TOKYO WALKING
    日中から夕暮れへと変化する東京の街を視覚体験。

    山本和歌子
    東京ウォーキング合同会社代表
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    2024.11.26

東京駅からのお散歩2:八重洲・日本橋をぶらり

お散歩ウェブマガジン「TOKYO WALKING」が「ZEISS PEOPLE」の読者に向けてお届けする「東京駅からのお散歩」第2回は「八重洲・日本橋」です。このお散歩コースでは、にぎやかな八重洲エリアを午後にスタートし、隣り合う日本橋エリアへ。後半は日本橋を代表する歴史スポットをつないで歩き、建物がライトアップされる夕刻にお散歩を終えます。お散歩中は、前回のお散歩でZEISS社にてオーダーしたレンズの眼鏡をかけて歩き、ZEISS SmartLife レンズを通して見える昼から夕方にかけての街の光景にも意識を向けていきます。

東京ミッドタウン八重洲5階「YAESU TERRACE」から望んだ東京駅八重洲口。

お散歩ウェブマガジン
TOKYO WALKING

https://www.tokyowalking.com/

東京ウォーキング合同会社が運営するウェブマガジン。国際観光都市、東京の魅力的なお散歩コースを内外のツーリストに提供するために、2020年に創刊。2023年10月には、AIによる自動翻訳を導入し、104カ国語で読めるグローバルサイトとなる。世界の人が訪れる「お散歩の総合ウェブマガジン」を目指して、東京や横浜のお散歩コース、観光情報記事・動画を、日々配信している。


➊Start!東京駅八重洲口

東京駅は、JR東日本の在来線と新幹線各路線、JR東海の東海道新幹線、東京メトロの丸ノ内線が発着する東京の玄関駅です。駅の東側、八重洲口には、北口、中央口、南口の3つの改札があります。どの改札から出てもかまいませんが、このお散歩の待ち合わせは、駅構内から外に出た八重洲中央口がわかりやすいでしょう。

待ち合わせに便利な八重洲中央口。目の前に八重洲地下街の入口がある。
東京駅八重洲口を象徴する長さ約230mの大屋根(グランルーフ)。屋根の下にはペデストリアンデッキが通じ、雨天でもぬれずに歩ける。

東京ミッドタウン八重洲で2つの休憩空間を体験

パブリックアート、LEDゲートなど、多彩な見る演出も楽しもう

中央口を出て八重洲交差点を右折すると、地上45階建ての「東京ミッドタウン八重洲」。地下1階から3階の商業施設の他、オフィス、ホテル、バスターミナル、小学校、ビジネス交流施設など、様々な要素で構成された大規模複合施設です。新しいスタイルのフードコート&スペース「ヤエスパブリック」(2階)や、緑あふれる屋外広場「YAESU TERRACE」(5階)は、東京駅を眺めながら一息つけるスポットです。1階エントランスのLEDゲートや、施設外周に設置された3つのパブリックアートなど、芸術性の高いアートもあちこちに。そんなアートを見つけながら歩いたら、視覚が刺激され楽しい気分になりました。

★東京ミッドタウン八重洲/休業:元旦 営業:レストラン11:00~23:00、ショップ11:00~21:00(一部店舗は営業時間が異なる)☏03-6225-2234
https://www.yaesu.tokyo-midtown.com

正面エントランス前のパブリックアート「STAR」(吉岡徳仁作)。大きさが約10mにも及ぶ巨大な光の彫刻。2000以上のステンレスミラーのロッドを、結晶化するように集結させている。
看板もポップな「ヤエスパブリック」(2階)入口。変化に富んだ座席があり、個性的な店舗のメニューも楽しめる。(写真左)
テラス席やカウンタ―、階段スタイルなどの座席も。好きな席に座ってホッと一息つこう。グランスタ八重洲の「GRANROOF GARDEN」が見渡せる。(写真右)
あおぎり通り側の屋外に設置されたインスタレーション「Mountain range」(栗林隆作)。八重洲の土地の記憶を、地層を使い表現した作品だという。(写真左) 
八重洲通りに面した作品「Stripe drawing – Sunset reflection」(中西信洋作)。黄金色に輝くステンレスとガラス面とのストライプは、過去、現在、未来へと続く絶え間ない時間の流れを表現している。(写真右)

👟👟東京ミッドタウン八重洲から日本橋へ
八重洲通りに出て右へ進み、「日本橋三丁目」の交差点を左折して中央通りに入ります。右手に重要文化財に指定されている日本橋髙島屋本館の重厚な建物を眺め、さらに進んで、右手に高層の東京日本橋タワー、コレド日本橋を過ぎ、その先で道の上を横切る首都高速の下に、日本橋が見えてきます。

中央通りの右側に、重要文化財に指定されている日本橋髙島屋S.C 本館。重厚な西洋建築の中に和の意匠を随所に取り入れた昭和の名建築だ。

日本橋を渡る

魚市場が立ち江戸随一の繁華な場所であった日本橋。今も多くの人が集い行き交う

日本橋は、日本橋川にかかる石造りのアーチ橋です。上空に横切る首都高速道路が橋の景観を邪魔していますが、現在、この首都高速の地下化事業(2034年完成予定)が始まっているそうです。橋の入口には、左手に日本橋の観光案内所があり、右手階段下には日本橋船着き場があります。ここからは、二連アーチになった橋の全貌が眺められます。橋を渡ると、欄干の両側に設置された獅子像と麒麟像が目に入ります。精緻で芸術的な彫刻にしばし見とれます。橋を渡り終えた左手に置かれた「日本国道路元標」のレプリカは、日本の国道の起点が日本橋にあったことを教えてくれます。

現在の日本橋は明治44(1911年)に完成した20代目で、国の重要文化財。橋の四隅にある獅子像は守護を表す。獅子が前足で押さえいるのは東京都のマーク。
橋中央両側の街燈にある一対の麒麟像は、一方が口を開き一方が閉じた阿吽の対になっている。他の麒麟にはない羽根型の背びれは、日本橋からの飛翔を願って付けられたという。
船着き場から見た日本橋。美しい二連のアーチを確認できる。(写真左)
日本橋のたもとにある船着場からは、様々なクルーズコースが発着。(写真右)
日本橋が主要国道の起点であったことを示す「日本国道路元標」のレプリカ。本物は、橋中央の車道に埋め込まれている。日本の道路の中心地・日本橋を象徴している。(写真左)
橋柱の「日本橋」の字は、第15代将軍・徳川慶喜の筆によるもの。橋創建時の東京市長・尾崎行雄が「東京の一番の恩人に」と、慶喜に書を依頼したのだという。(写真右)

👟👟 日本橋から八木長本店へ
日本橋を渡って最初の大きな交差点が「日本橋北詰」。左手の三角地に、日本橋三越本店新館の13階建てビルがそびえます。この辺は江戸期から三越の本拠地でした。

日本橋北詰交差点。右手に、次の立ち寄りスポット、八木長本店のレンガ色のビルが見える。

八木長本店で出汁を味わう

食材のプロや料理人も通う乾物の老舗で、極上の出汁素材を手に入れる

江戸時代、商人の町として発展した日本橋には、今も創業100年を越える老舗が軒を連ねます。そんな日本橋100年老舗の一つ、1737(元文2 年)年創業の出汁材料店「八木長本店」を訪ねました。さっそく、中央の大型オープンテーブルで、紙カップで販売されている3種の出汁を購入し飲んでみます。それぞれ持ち味がありますが、関東人の私は、やはりかつおでとった「東のだし」が気に入りました。店内には和食のベースとなる出汁素材の三本柱、昆布、鰹節、椎茸を中心に、海と山の乾物がずらり。生産者にとことんこだわった選りすぐりの出汁素材ばかりです。そんな商品にふれながら、日本が誇る出汁文化を大切に守り伝えていかなければと思いました。
★八木長本店/無休 営業:10:00~18:00 ☏03-3241-1211
http://www.yagicho-honten.tokyo

日本橋北詰にある創業286年の八木長本店。レンガ色の細長い8階建てビルにある。看板の流暢な書字は有名書家によるもの。
店内の削り器に荒節を入れる。鹿児島県・枕崎市の鰹節作りの名手が一本釣りの鰹で作った荒節だ。(写真左)
フワフワとした削りたての鰹節。その場で削ってくれる他、削りたての風味を保つ特殊包装に入れてネット販売もされている。(写真右)
店内で販売している3種のだし。左から色の濃い順に、「東の出汁」(鰹の出汁)、「西の出汁」(鰹+あごの出汁)、「野菜の出汁」(干し椎茸+各種野菜)。(写真左)
鰹節、昆布、干椎茸以外にも、さまざまな乾物が並んでいる。料理好きには堪えられない空間だ。(写真右)

👟👟 八木長本店から江戸桜通りへ
八木長本店を後にして、中央通りを先に進みます。時刻は午後4時。日没までにはまだ時間がありますが、ZEISSのメガネレンズを通して見える街並みの色が、少しずつ暮れていくのがわかります。室町二丁目交差点で左折して江戸桜通りに入ります。

午後4時頃。中央通りから、歩いてきた日本橋方面を望む。

江戸桜通りと日銀通りで有名建築をウォッチング

小道をつないで、3つの歴史的建造物と新しい高層タワーを見て歩く

江戸桜通りと日銀通り沿いには、重要文化財に指定されている3つの歴史的建造物が建ち並んでいます。昭和4(1929)年竣工の三井本館、1914(大正3年)年竣工の三越本館、そして明治29(1896)年竣工の日本銀行本店です。いずれも重厚感のある石造りの建物で、この道沿いを歩くと明治・大正時代にタイムスリップしたような感覚にとらわれます。 日銀通りを最初のブロックで右折すると、左側に26階建ての高層ビル日本橋室町三井タワー。2019年竣工の日本橋の新しい有名建築です。地下1階~地上2階には人気の商業施設「COREDO室町テラス」が入っています。

中央通りを室町二丁目交差点で左折し江戸桜通りへ。右側が三井本館、左側が三越本館だ。
江戸桜通りは桜の名所。開花期には道沿いの歴史的建造物もライトアップされ、幻想的な風景を楽しめる。
桜通りに面した三越本館の入口。ルネッサンス様式の建物内は、デパートに買物に立ち寄れば見学できる。(写真左)
ステンドグラスが施されたレトロな地下鉄三越前駅への出入り口。三越本館の地下へも通じている。(写真右)
東京駅の建築家、辰野金吾が設計した日本銀行本店。予約すれば、ガイドの解説付きで館内を見学できる。
日銀通りを右折して本町通りに入る。左手には日本橋室町三井タワーがそびえる。
コレド室町テラスの大屋根広場にはテーブルと椅子が置かれ、ワーカーや外来者が憩う。

👟👟 日本橋室町三井タワーから福徳神社へ
本町通りから室町三丁目南交差点に出たら、そのまま中央通りを渡って反対側の小道に入ります。すぐ次のブロックを右折すると、左手に福徳神社の鳥居が見えてきます。

室町三丁目南交差点では、街はすっかり夕暮れの気配。ビルにあかりが灯り始めた。

福徳神社に参拝し狐の絵馬を奉納

宝くじの当選祈願など、金運へのご利益で知られる古社にお参りする

福徳神社の大きな赤い鳥居は、商業ビルに囲まれた賑やかな街の一角に、唐突にすくっと現れます。その意外性のある光景は、新旧が混在し調和する日本橋を象徴しているかのようです。神社の歴史は古く1100年以上前にはすでにこのあたりにあり、かの徳川家康も何度か参拝したことが伝えられています。江戸時代から「日本橋のお稲荷様」として人々の崇敬を集め、社殿の左右には稲荷の神使、神狐像が置かれています。かつて、江戸幕府公認の富くじ(現在の宝くじ)を発行する社であったため、現在は、多くの人が、宝くじやライブチケット抽選などの当選祈願に訪れます。

福徳神社/参拝自由 授与所は10:00~17:00 ☏ 03-3276-3550
https://mebuki.jp/

日本橋室町の街の一角に突如現れる赤い鳥居が神社の入口。到着時の午後4時半頃にはすでにライトアップされていた。
二拝・二拍手・一拝の作法で本殿にお参り。左右に置かれた一対の神狐像は、よく見ると左の神狐が鍵を、右が玉をくわえている。
夫婦の神狐が描かれた「神狐絵馬」は、一方の狐の絵の裏に願いを書いて二つに割り、片方を奉納し、もう一方を持ち帰る。(写真左)
願いを書いた絵馬を神社の絵馬かけに結ぶ。願いがかなったら、持ち帰った方の絵馬を絵馬かけに戻す。持ち帰った方の神狐は、もう一方の神狐のところへ戻るために、願い事をかなえるように懸命に働いてくれるのだという。(写真右
参拝を終えるとすっかり日が暮れていた。ZEISSレンズのメガネをかけていると、暗さはそれほど気にならず境内の景色がよく見えるように感じる。

❼Goal!三越前駅6番出口

福徳神社から一番近い最寄り駅は、地下鉄三越前駅の6番出口。「コレド室町2」の前を通り中央通りに出る角にあります。三越前駅には東京メトロの銀座線と半蔵門線が乗り入れています。

三越前駅6番出口から東京メトロに乗って帰ろう。


♥ZEISSレンズのメガネをかけて

前回のお散歩でオーダーしたZEISS SmartLife レンズ のメガネをかけてお散歩を歩きました。最初にかけて驚いたのは、見え方がとても明るいことです。今回のお散歩では夕暮れの街を歩きましたが、暗くなっても意外に視界はクリアで、見えづらいということは全くありませんでした。遠近両用レンズで作ったのですが、遠距離から近距離への焦点の移動が、自然でスムーズなことにも驚かされました。レンズを透かすと上角に見えるZEISSのロゴプリントもオシャレで気に入っています。


コース作成・文:山本和歌子  写真:末松正義、TOKYO WALKING編集部

👟今回のお散歩データ

歩行距離 約2.5km/徒歩時間 約40分/コースの目安時間 約3時間

➊東京駅八重洲口
↓ 3分 200m
➋東京ミッドタウン八重洲
↓ 14分 900m
➌日本橋を渡る
↓ 3分 200m
➍八木長本店
↓ 3分 200m
➎江戸桜通りと日銀通り
↓ 10分 800m
❻福徳神社
↓ 2分 100m
❼三越前駅6番出口

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山本和歌子
東京ウォーキング合同会社代表
日本各地の旅行ガイドブックを執筆・編集してきて、東京ほどお散歩にぴったりの都市はないと痛感。スポットを線でつないでコースを歩くお散歩の楽しさを、世界中の人に知ってもらおうと、お散歩ウェブマガジン「TOKYO WALKING」を通じて、様々なお散歩コースを企画・提案している。
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