眼鏡店のサービス向上やビジネスの成功のためにZEISSビジョンジャパンが行っている “ZEISS Business Partner Program” 。今回は、 “ZEISS Vision Expert” に参加が決定した「岡山眼鏡店」のお二人にインタビュー。より良い「視生活」を届けるための眼鏡店としての在り方や、今後の取り組みについてお話しいただきました。
まずは、お二人の自己紹介からお願いいたします。
猪原:株式会社川空山海の代表を務める猪原です。1999年に地元岡山の眼鏡店に入社し、この業界に入りました。その後、2店舗の店長を経験し、2015年に岡山眼鏡店を創業。2021年12月には移転リニューアルを果たしました。今年7月には広島に新店舗の出店を予定しています。
藤山: 2018年に岡山眼鏡店に入社しました藤山仁美と申します。入社のきっかけは岡山眼鏡店が当時からファッションに敏感な方々に注目されていた憧れの場所で、私も働きたいと思い転職を決めました。実はその際、求人は終了していたのですが、直接店舗に電話をかけて面接をしてもらったんです(笑)。現在は店舗の責任者として、日々、メガネやレンズの知識をアップデートしながら、お客様にその知識を還元したいと努めています。
岡山眼鏡店の特徴・こだわりをお聞かせください。
藤山:岡山眼鏡店では、「見えかた」「見られ方」「心地よさ」をテーマに掲げています。なぜそのメガネが似合うのか、あるいは似合わないのかを具体的にお伝えしながら、お客様にぴったりな1本をご提案しています。お取り扱いブランドは豊富にありますが、私たちが「かっこいい」「かわいい」と感じるものだけを厳選しています。
猪原:お客様にメガネや視力について正しい認識を持っていただくことも意識しているところですね。測定に関しては訓練されたスタッフが時間をかけて対応しており、お客様には1時間の枠を設けていただきます。半分は測定、半分はコンサルティングの時間として。この時間は短縮できない重要な部分で、一人ひとりに最適なアドバイスや正しい知識を提供するよう心がけています。
店舗のレイアウトも特徴的ですよね。
猪原:そうですね。2フロアでゆとりがある店舗だと思います。お客様に窮屈感を与えるのが嫌だったことと、取り扱いブランドが増えてきた事もあって、特に広さにはこだわりました。
結果的に、お客様にご満足いただけるレイアウトになったと思います。商品棚の間隔も広いので、落ち着いた空間でゆっくりメガネを選んでいただけるかと。ただ、お店側としては大変なことも多いので、真似はしないほうがいいと思います(笑)。
自然と笑顔が生まれる空間でありたい。
お店としてサービスを高めるために大事にしていることは何ですか?
藤山:お客様ファーストの心構えを大切にし、愛情を持って丁寧な対応を心がけています。例えば、測定をご希望のお連れ様にはお待ち頂く時間に雑誌などを提供し、お客様がゆったりとした時間を過ごせるようにしています。また、お子様連れのお客様のために「キッズコーナー」を設置することで、お子様が遊んでいる間にゆっくりとメガネを選べるように配慮しています。細かな気配りの積み重ねが店舗の良い雰囲気につながると信じて、自然と笑顔が生まれる空間を目指しています。
そういった考え方は社長から発信されているのでしょうか?
藤山:入社した当時、社長がお客様の立場に立った行動をされている姿を見て、とても感動しました。その姿勢を見て、私も真似して取り入れようと決意したんです。それが受け継がれて、周りのスタッフも同じような姿勢を持つようになったんじゃないかと思います。
自然と受け継がれていったのですね。
猪原:そうかも知れませんね。買う人だけに対応するのではなく、お連れ様やご家族、ご友人、その他多くの方が一人のお客様の背景に関わっています。だからこそ、普段からよく言っているのは、商品を購入していただかなくても「岡山眼鏡店に来て良かったよ」と言ってもらえるような、そういった対応を心がけることです。
接客中に大事にしている事があれば教えてください。
藤山: お客様がメガネを選ぶ過程すべてを楽しんでいただけるように心がけています。自然とニーズを引き出すために会話を大事にし、色々なメガネをかけて自分に合うものを選んでいくという“体験”を楽しんでいただきたいと考えています。「気づいたらメガネを購入していた」という感覚になっていただくことが理想ですね。
「半医半商」 眼鏡店としての在り方。
ZEISSのレンズを取り扱うことになった理由を教えてください。
猪原:ZEISSレンズの取り扱いを決めたのは、品質の高さに加え、ZEISSの考え方に共感できたからですね。
私たちは創業以来、「半医半商」という考えを大切にしてきました。文字通り、医療と商業の両方の側面を持つという意味です。私たちはセレクトショップとして当然ファッション性にもこだわりますが、本来 眼鏡店は眼の健康について気軽に相談できる存在であるべきだと考えています。
測定中に何か不自然な点が見つかった場合、私たちはメガネの案内を中断し、まずはお客様に眼科を紹介します。目の健康に関しては早期の対処が重要ですから。どの眼鏡店にも売り上げ目標はあるかと思いますが、ここは絶対に妥協してはいけません。
こうした私たちの理念に沿ったブランディングを、明確かつ大規模に展開しているレンズメーカーはZEISSの他にないと感じ、取り扱いを決めました。
メガネに込められた「想い」を汲み取る。
お店として、今後の展望があればお聞かせください。
猪原:スタッフの育成に引き続き力を入れていきます。その一環として、今後もZEISSの工場見学に行かせていただきたいと思っています。製造の裏側を知ることで、お客様にメガネの知識をより深く、正しく伝えることができると思いますので。藤山さんは実際に見学してみてどうでした?
藤山:ただフレームやレンズを見ただけでは感じ取れませんでしたが、完成するまでに多くの手間と技術が必要であることを実感し、素直に感動しました。
例えばレンズ作りの現場では、各工程が終わるごとに小傷がないかを一つひとつスタッフさんが確認する作業があったり、レンズに色を付ける工程では、気温や湿度に応じて赤や青、緑の染料に何秒間浸すのかが細かく調整されていたり。染色作業の様子を初めて見たときは、その精密さに驚きましたね。
完成するまでに多くの工程があり、各作業にプロ意識を持った職人さんが関わっていることが非常に理解できます。
素晴らしい体験ですね。他にはどんな取り組みがありますか?
猪原:ブランドの展示会にもスタッフ主体で必ず参加するようにしています。ありがたいことに最近は、大阪と東京で春秋に展示会を開催するブランドやメーカーが増えてきました。
最新のトレンドを把握することはもちろん、展示会はデザイナーと直接コミュニケーションを取ることができる貴重な機会です。ブランドの哲学や製品に込められたこだわりや背景も含め、お客様に伝えられるよう学んできてほしいですね。
1本のメガネが出来上がるまでに、さまざまな人の想いが重なっていることを理解しようとされているのですね。
製販一体で変化。更なる顧客満足度の向上へ。
ZEISS ビジョンジャパン期待することは何ですか?
猪原:測定の精度を向上させるために、新しい機器の開発やシステムの構築に期待しています。
ただし、新しいものを取り入れる際には、現場も並行して変化が必要です。順応性を持って、変化に対応できるような店舗の体制を作り上げていきたいですね。
そうして初めて、お客様により良いサービスを提供できると思うんです。その意味でも、ZEISSの技術力と想いが我々に成長のきっかけを与えてくれていると感じています。
これからメガネを買おうとされているお客様にメッセージをお願いします。
藤山:自分にピッタリのメガネを選ぶことは、たくさん悩むものだと思います。 私たちもそのお悩みに寄り添い、最適なメガネを見つけるお手伝いをさせていただきたいと考えております。
メガネが似合うかどうかだけでなく、どんなシーンでかけたいのかも大切です。「がらっとイメージを変えたい」「普段のコーディネートに合わせたい」「個性的に見せたい」「仕事で使ってモチベーションを上げたい」など、お客様のライフスタイルやご要望をお聞かせください。
皆様の生活に寄り添い、毎日の気分を上げてくれるようなぴったりの1本を提案しますので、ぜひご来店をお待ちしております!
猪原:7月OPENの「廣島眼鏡店」(https://hiroshimamegane.jp/)も ご来店をお待ちしております!
店長経験を経て2015年岡山眼鏡店を創業。2024年には廣島眼鏡店出店。眼鏡作製技能士1級。
「半医半商」の理念を軸にアイウェアの価値を高めるため惜しみなく技術への投資とファッション性豊かなアイウェアブランドをお客様にご提供することに努めています。
店頭では、一人ひとりのお客様に寄り添ったご提案ができるように努めております。 プライベートでは、二人とネコ一匹の母であり、周りの皆さまに支えて頂きながら、仕事と子育ての両立に励んでいます。