• 選ぶ人

    見た目と機能を同時にこだわる。
    メガネとサングラスに境界線はない。

    谷中 敦
    ミュージシャン・俳優
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    2021.12.16

東京スカパラダイスオーケストラのバリトンサックス奏者、ボーカリストとして、また、ドラマや映画などで俳優としても活躍する谷中 敦さん。彼にとってメガネは、ファッションアイテムとして楽しみながら、日常生活をサポートしてくれる大切なツール。さらに、「レンズをツァイスに替えた瞬間、世界が広がった」と語る谷中さんに、愛用するメガネの魅力やツァイスレンズへのこだわりを伺いました。

メガネを掛けはじめたきっかけを教えてください。

最初は、高校生の頃ですね。サーファーっぽいアメリカ西海岸風の格好が流行ったときに、ファッションでラルフローレンのメガネを買いましたね。その後は、ミュージシャンへの憧れから、彼らのサングラス姿をマネしてアイウェアを選んでいました。

当時憧れていたミュージシャンはどなたですか?

デヴィッド・ボウイやジム・モリソンですね。特に、デヴィッド・ボウイが映画『地球に落ちてきた男』で掛けていた、淡いブルーのメガネがカッコよくて、そのときからカラーレンズは好きでした。ベーシックな黒縁のメガネも流行りましたが、いま思えば、私がダブルブリッジのメタルフレームが好きなのは、ボウイの影響を受けているのかもしれませんね。

東京スカパラダイスオーケストラ(以下、スカパラ)ではカラーレンズのメガネを掛けている印象があります。

スカパラをはじめるときに、メンバー全員で同じスーツを揃えて、それぞれ派手なサングラスを掛けていたんです。お互いが選んだものを見ては、「お前はそうきたか。俺はこうだ」なんて、ちょっとライバル意識を持ったり(笑)。よくサングラスを掛けるので、しばらくしてカラーレンズに度を入れるようになりました。それから私にとってはメガネとサングラスの境界線はなくて、全部がメガネなんです。もはや、自分らしさを出すファッションアイテムでもあり、実用的な機器でもある。全部で30本ほど持っていますが、全部度入りのカラーレンズですね。

先ほど、メタルフレームやダブルブリッジのデザインがお好きと伺いましたが、いまのお気に入りのメガネを教えてください。

ずっとドイツのメガネブランド〈ic!berlin(アイシーベルリン)〉を使っていました。ネジを使わないヒンジが特徴のステンレスのフレームは、軽くて繊細だけどしっかりと丈夫で掛け心地がいいんです。その後、〈ic!berlin〉にいたデザイナーが立ち上げた〈MYKITA(マイキータ)〉を使いはじめて、同じくネジのない洗練されたフレームが気に入っていまでは数多く所有しています。実は、ツァイスレンズとの出会いは〈MYKITA〉のお店で、スタッフさんに勧められて作ってみたのがきっかけ。一気に視界が広がったのを覚えています。それからメガネを作るときは、ツァイスレンズを必ず選んでいます。

そうだったんですね。ご紹介いただいたメガネのうち2つは、〈MYKITA〉と 〈MYKITA + Maison Margiela(マイキータ + メゾン マルジェラ)〉ですね! もうひとつはどちらのフレームでしょうか?

〈TRESBIND(トレスバインド)〉という中国のブランドで、いただきものなのですがツァイスのカラーレンズに替えて使わせていただいています。こういうレトロ感のある定番の形は、逆に新鮮なのですごく活躍しています。年齢的に私にはしっくりきすぎているくらいだけど(笑)、若い人が掛けるのもカッコいいと思います。

スムーズに視点を動かせる
中近&遠近レンズが手放せない。

ツァイスではさまざまな用途に合わせたレンズを取り扱っていますが、谷中さんはどんなレンズを使われていますか? また見え方はいかがですか?

中近レンズと遠近レンズを使っています。中近はステージで楽譜を読む際にとても活躍していますね。楽譜を置く位置と自分の距離って、視認するのに微妙なんです。楽器を構えるからちょっと離れていますし、譜面を読むときは瞬時に細かい音符を追いかけなければいけない。だけど、中近レンズを掛けているとピントが調整しやすい。家の中や街中で、そこそこの距離にあるものを見たり読んだりするのにちょうどいいと思います。日常生活に寄り添った適切な見え方が可能になりますね。ちなみに、イエローのレンズが中近用で、他の二本が遠近用です。

なるほど。遠近レンズの見え方はいかがでしょうか?

これも本当にすばらしい。自分が昔持っていた遠近レンズに対するイメージと違って、遠くのものと近くのものを見るときの繋ぎ目を感じることなく、シームレスに焦点が合うので、楽ですね。視界の中で一部分だけボケたり、見えづらくなるということがないんです。外出中に遠くを見ていた後で手元の携帯電話に視線を落としても、視界が自然で違和感も感じない。これを経験したときは驚きました。

メガネを掛けている人にとっては新鮮な体験ですね。それぞれの方の生活シーンやスタイルに合わせてレンズを調節しているということですね。

はい。私の場合は、〈MYKITA〉のお店のスタッフがツァイスの方と相談して調整してくださっていると思います。その際に使うツァイスの測定器があるんですけど、それがもう近未来的で面白いんです(笑)。お店でぜひ体験してほしいです。

視界が明るくツァイスレンズで
幸せを手に入れられる。

谷中さんが体験したツァイスレンズの魅力は何でしょうか?

先ほど、<MYKITA>で初めてツァイスレンズを使って「一気に視界が広がった」とサラっと言いましたが、実際はすごく衝撃を受けたんです(笑)。目の前がすごくクリアに、明るく、広くなって、世界は本来こんなふうに見えるんだと感動して。いまでは毎日掛けているのでこれが当たり前になっているのですが、もう元に戻れないです。SF的な測定器で自分にぴったりのレンズを作っていただけるので、度数も焦点もベストで掛け心地がすごく快適です。そしてカラーの種類も豊富で、イエローやピンクなどのビビッドなカラーリングが気に入っています。ステージ衣装のスーツのときにも掛けますが、私服にも意外と合うんですよ。

いままで見ていた景色がより素敵に見えるんですね。

そうなんです。ツァイスレンズを入れたメガネを作った後、スカパラでメキシコやブラジル、アルゼンチンを巡るツアーに行ったんですが、見慣れた南米特有のカラフルな建物や風景がすごく美しかった。といいますか、飛行機に乗ったときから、視界がキレイでテンションが上がって“視覚ハイ”になっていました(笑)。世界がこれだけ美しく見えると、人は幸福感に包まれるんですね。ツァイスレンズを掛けることは、幸せを手に入れることに繋がります。

─ツァイスレンズを通した世界に感動していただけて、嬉しいです。

私はカメラが好きでソニーのRXシリーズを使っていて、そのレンズもツァイス。中でも、最近アクティブに使える小型カメラの「RX0 II」で撮影して、写真をSNSでアップしていて。私が見る世界も、皆さんが見て、知ってくださる私も、ほとんどがツァイスレンズを通しているんです(笑)。私にとっては欠かせない存在です。

人は小さな差を感じ取り、感動する。
音楽もレンズも同じ。

ありがとうございます。そんな谷中さん、ツァイスレンズを使っていて悩みや気になることはありませんか?

いっさいないです、100%満足しています。自分では思いつかないので、逆にツァイスの方から「こんなシーンではこのレンズの方がいいですよ」とどんどん新しい提案をいただきたいくらい(笑)。今回のインタビューをきっかけに、もっとツァイスとレンズのことを知りたくなってしまいました。私の父が電子顕微鏡の技師で、父と兄の影響でカメラが好きになったというのもあって、レンズを通して見ることが好きで。以前、麹町のカールツァイス本社にお邪魔して見学をさせていただいたときに、電子顕微鏡部門の方にお会いして、「“谷中レンズ”の谷中さんの息子さんですか?」と聞かれて、むちゃくちゃ父親が誇らしくて嬉しくなりました。「スカパラの谷中さんですか?」じゃなくて、“谷中レンズの息子”って言ってもらえることが幸せですね(笑)。

すごく素敵なエピソードですね。

父もそうですが、ツァイスレンズを作っている方も、すごく繊細な世界で命をかけて研究されていると思うんです。また、先ほどお聞きした話ですと、メガネのレンズも、光を取り込む量を1%以下の単位で改善しているのだとか。その小さな差で、僕が経験したように、大きな感動や幸せを得ることができます。まさに音楽の世界でも同じ。一聴してうまいアーティストはたくさんいますが、ちょっとした差だけど明らかに心への響き方や体感が違うアーティストもいる。ただ、そこには相当の努力があるんですね。ツァイスレンズの魅力に気づくと同時に、そんなことを改めて考えました。

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谷中 敦
ミュージシャン・俳優
1966年12月25日生まれ、東京都出身。1988年より東京スカパラダイスオーケストラにバリトンサックス、ボーカリストとして参加し、89年にアルバム『東京スカパラダイスオーケストラ』でデビューを果たす。現在、ライブCDを同梱したミニアルバム『S.O.S.[Share One Sorrow]』が発売中。その他、作詞家、俳優などさまざまな分野で活躍している。
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